【急性中耳炎】
先日休日診療所で出務して診察していると、隣の医師が患者さんに「体だけなら入浴してもいいですよ」と言っていました。私は「この先生は御自分が中耳炎になったことがないんやな」と思いました。よく最近こんなことを平気で患者さんに言っている医師がいます。血は全身をめぐります。体でぬくもった血は患部に達し、患部をぬくめ炎症を悪化させます。炎症は冷やすことが鉄則です。実は私は小学校3−4学年頃にイヤっというほどよく中耳炎になった経験が有り、身をもって炎症中は入浴がだめなことが分かっています。当時の治療法の基本は入浴をさせない、運動をさせない、患部を冷やすことでした。当時抗生物質がまだなかったのです。しかし、私は体育が好きで、水泳を休みたくなかったので先生に黙ってプールに入りました。先生は「言いつけを守らんとプールに入ったやろ、赤くなってる。」と怒りました、私はこう言ったのをよく覚えています。「先生、水温は23度、体温は36度やから、かえって体が冷えてええと思うた。」先生は「泳いでたら分からんけど筋肉が動いて汗をかくからあかんのや、泳いでいても汗をかいているんや」。私は口では理屈を言いましたが、自分の体が先生の言うことが正しいと言っているのがよく分かりました。
余談になりますが、私は最近左の額にめんちょう(顔面にできる吹き出物)ができました。抗生物質をのみ、入浴もやめましたが数日間一進一退でした。もう膿を持つ寸前です。「日曜日も近く鮎釣りにも行きたいし、化膿させて膿を出した方が早いかな」と思い切って釣りに行ったのです。ところが予想に反して帰宅すると炎症が半減していたのです。このことで大変勉強になりました。私は日常診療で気を入れて額に汗をかきながら診察しています。血流が脳に集まっているから額に熱を帯びるのです。釣りではリラックスして脳に血が集まっていないはずです。こんな血流の集中でも額に熱を帯びて炎症が治らないのです。おそらくサーモメーターで視れば額が熱を帯びて赤くなっていたことでしょう。急性中耳炎は特に治療開始後5日は入浴しないほうが治りが早いと思います。 |