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耳、鼻、咽頭、喉頭だけに止まらず12脳神経領域のうち8種類の脳神経(主だったものでも嗅神経、三叉神経、顔面神経、内耳神経、舌咽神経、迷走神経、舌下神経)が耳鼻咽喉科領域の神経疾患です。
嗅覚障害、味覚障害、三叉神経痛、顔面神経麻痺、聴力障害、平行機能障害(目まい)、嚥下障害などがそうです。

また最近耳にする口腔外科医は歯科医師免許ですので歯科口腔外科医と呼ぶのが正しく、本来頭頚部領域の悪性疾患は眼科と脳外科領域の他は医師免許を持つ耳鼻咽喉科医が頭頚部悪性腫瘍を扱かってきたとご理解下さい。
そうでないと舌癌、口腔底癌、歯肉癌、上咽頭癌、中咽頭下咽頭癌、喉頭癌、梨状陥凹癌、上顎洞癌、外耳道癌、甲状腺癌、悪性リンパ腫等が将来的に頸部にリンパ節転移を起こし、頸部廓清術を要する手術が必要となったときに最初から耳鼻咽喉科にかかっておれば良かったとなるわけです。

当医院では手術が必要な場合は各疾患に合った関連病院を選択し、患者さんに御紹介申し上げています。一般的な疾患の説明に移ります。

◆急性外耳道炎

耳垢を何ヶ月(何年も)もためて炎症を起こして来られるか、逆に耳を触りすぎて炎症を起こして来院される患者さんが多い様です。耳掃除は基本的には月1回位が適当と御理解下さい、入浴毎に耳を触っていたり、耳掃除が好きで綿棒や耳かき棒をはなせない方はすでに外耳道炎のことが多く見受けられます。痒いとか耳垢が良く出るのでと言う訴えはすでに外耳道炎のことが多いのです。

耳垢をためすぎた例では5-6月に気温上昇期に感染を起こしてくる症例が多く、後者の耳を触りすぎた例ではその習慣を止めないと薬を塗っただけでは治りません。

当医院では外耳道炎は患者さん自身が耳を触る習慣から自ら作り出した病気だとういう認識に立って治療をしています。まず耳を触る習慣を止める様に指導する事から始め、食習慣においても刺激物(コーヒー、キムチ、等)を避ける様に指導します。従って、患者さんに軟膏を渡して自分で塗るようにという指導はかえって患者さんに触る事を奨励することになるのでこうした治療は当医院では行いません。

また痒み止めと称してのステロイド投薬もしません。真菌感染が多い場所なので、安易にステロイド軟膏を塗ったりはしません。症状改善具合を診ながら再診時期を決定し、徹底して患者さんに耳を触らせ無いように指導しています。耳入口部付近のアトピーや外耳道を閉塞するような極端な耳垢増多症には注意深くアトピー用の(P)軟膏を使用します。

◆急性中耳炎

治療経験と自らの小児期に中耳炎を繰り返した体験上、当医院では入浴やシャワーを禁じています。受診から数日以内に発赤や耳下部圧痛がある時期に入浴すると中耳炎が再燃したり、浸出性中耳炎に移行する症例が多くなります。汗をかくほど仕事をしたり、運動をしたり、走ったりする事も中耳炎を悪化させます。氷などで耳の周囲を冷やすことは、炎症の軽減に効果的です。こうした炎症疾患に対する基本的治療のクーリングと患部の安静を重視することで当医院では難治性中耳炎や浸出性中耳炎への移行をほとんど見かけません、入浴したり、汗をかくほど仕事をしたりする方は長引きます。

◆慢性中耳炎

耳を触るくせのある人、耳漏が出ているのに自分勝手に綿棒で拭いている患者さんは鼓膜がすでに穿孔を起こしていることがあります。この場合、穿孔が有るのも知らずに触り続けていると穿孔が閉鎖せずに穴が空きっぱなしになることもある事を知ってください。

◆聴力障害・耳鳴

聴力障害、耳鳴共に発生して2-3週間以内ですと治療に反応し易いので、受診の機会を失わないようにして下さい。ある日、突然というのが突発性難聴の事が多く、ヘッドホーンやウォークマンを大きい音量で使用する方(ロックの好きな方)は音響障害に注意がいります。ロックコンサートで前列5列目位までのスピーカーの前で聴いていたら、翌日朝に聴こえなくなっていたと一夜で音響障害になって受診された例もあります。飛行機に乗った後とか風邪の後、耳が詰った感じがして、音が二重になって聴こえたり、聴こえが日によって良かったり悪かったりなどの訴えの多くは、耳管機能が悪い事が多い。その他中耳炎の初期であったり、耳管機能障害であったりすることも多くみられます。

耳鳴は聴力障害の自覚が無くても、聴力障害や耳管機能傷害、メニエル病を伴っていたり、その前兆であったりします。その他肩こりが原因であったり、また耳鳴の原因を特定し難いものも有ります。気にしだすと耳鳴もさらに大きく感じてストレス性に増強して聴こえることも有ります。

まずは耳鼻咽喉科に受診して、聴力障害が無いか、他に隠れた疾患が無いか検査を受けることをお勧めします。

◆めまい

・良性発作性頭位性めまい

寝返りを打つとめまいがする。横になろうとするとめまいがする。ゆっくり決まったむきに寝るとめまいがおき難いとの訴えが多くみられる。耳石が定位置からずれるために生じるので。徒手法による15分程度の(耳石置換法)治療で帰宅時にはよくなって帰られる患者さんもおられます。現在徒手法は、効果的で有るにも関わらず医療点数が認められていないので施行する医院が少ない。(整形の肘内障に準じて徒手整復術の加算が認められるべきだと思います。)

・メニエル病

耳の詰まり感、耳鳴、吐き気等の随伴症状を伴ってめまいが生じる。時に聴力障害(低音域障害)を伴っていることもある。ストレス病の一種で、睡眠不足や過労やストレスが引き金になって起きる事がおおい。季節は春や時に秋に多い。内耳(三半規管)の水バランスの悪化が原因で三半規管と同じリンパの流れでつながった蝸牛神経(聴覚神経)にも影響が出ると蝸牛型メニエル病と呼ばれる。特効薬がすでに有ります。聴力障害は時に戻らない事もあり、めまいも繰り返すことがある。睡眠を6時間以上多く取り、前述の前触れが(一つでも)出たらよく寝る事で防止する事が予防法で大切です。

・自律神経障害によるめまい

寝ていたり、座っていて立とうとすると一瞬立ちくらみがするが数秒位ですぐに治まる。理由は心臓を中心として脳への循環を考えるとすぐに分かります。寝ていると心臓と足は同じ高さですが、起立すると足から心臓に戻る血液の落差が出来ます。血液はこの水圧に抗して、心臓のポンプ作用による吸引力と静脈弁の逆流防止作用と足の筋肉の収縮力で心臓に戻ってきますが、心臓に戻る血液量が一瞬低下し脳への血流が低下するために生じます。これも当医院では内服処方により短期間で改善を見る例が多い。

・生活習慣病に起因するめまい

高血圧症、高脂血症、糖尿病による血管障害(動脈硬化症、血流障害)に起因するめまいの場合は、後ろを振り向くと一瞬めまいがする。また、後頭部がモヤモヤする重い感じ場する場合もCT等で異常が無いとされる場合が多いが、小脳の脳循環障害による場合がある。血管造影まではリスクを考えると検査されない事が多いが、これも内服投薬で改善する例が多い。

・脳血管障害、脳出血に伴う場合

今までに無かったような激しい頭痛があった場合は脳外科を受診してCTを撮ってもらってください。一般の救急外科で脳神経外科の無い病院に入院すると、運悪く盆休みであったり、正月であったりして転院転送が遅れる、正しい診断治療に手間取る事が有ります。

◆鼻アレルギー

三大症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まりです。アレルゲンが花粉の場合に花粉症と言います。

主なアレルゲンは他にハウスダスト、ダニがあります。花粉の飛散は一種類当たり2−3ヶ月ですが、生活空間にハウスダストやダニは年中ありますので、鼻詰まりが長く続くため長年のうちに副鼻腔炎につながっていきます。多くの患者さんを診てきて感じられることは、予防法についてはあまり語られてこなかったことです。小児期にすでに慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)になる素因があります。

対策は3−4才頃に鼻をすする習慣ができ始める頃にティッシュペーパーを持たして、こまめに鼻をかむ習慣を付けることです。習慣ができれば、子供は鼻が詰まっていることが気持ちが悪いことと知り、自分で鼻をかむようになります。鼻の性質は両親に似ますから、こうしたご家庭は子育てにも上記の注意がぜひ必要です。

また症状軽減のためには食生活でも香辛料の少ない和食中心の生活が大切です。コーヒー、唐辛子、キムチ、わさび、こしょう、カレーライスは症状を悪化させます。現在日本ではエスニックブームですが、欧米では健康志向から、日本食ブームになっている事に注意が要ります。日本は医食同源の国であったことを思い出して下さい。健康の源は食に在りと言っても過言ではありません。

◆慢性(急性)副鼻腔炎、急性上顎洞炎

これらの疾患の基礎は先述の鼻アレルギーとその対策不足があると言って過言ではありません。

アレルギーのある患者さんは風邪ごとに鼻炎症状が長引きやすく、白っぽい鼻や黄色い鼻が出る状態を早く改善しないと症状の慢性化につながって行きます。鼻が喉に落ちる、朝たんが出る。鼻をすすって口に出す。鼻の奥に何かがついていて取れないなどといった症状は、後鼻漏(こうびろう)と呼ばれる症状です。これらの症状があるにもかかわらず、習慣的に放置していると上額洞粘膜が繰り返す炎症によって肥厚して硬くなります。すると血流が悪くなり、免疫が働きにくくなり薬も血流に乗って届きにくくなります。粘膜が鼻腔に出てくると鼻茸です。これが慢性化です。

飲酒は症状の悪化要因です。アルコールは局所の炎症を悪化させます。後鼻漏がある患者さんは治療中はしばらく飲酒をやめることです。ただし、飲酒癖がない患者さんでも症状はでます。黄色鼻汁は副鼻腔に生じた膿ですから、感冒のあとなどに飲酒や入浴によって上額洞の炎症が悪化して、目の下が痛いといった訴えが出てきますと、急性上額洞炎の可能性がつよくなります。これを頬部痛といいますが、ときに上顎癌の初発症状としても見られますので耳鼻咽喉科受診をお勧めします。

◆扁桃腺炎

咽頭痛、嚥下時痛と扁桃腺に発赤などがあれば、他科的にも診断可能ですが、扁桃腺は膜(軟口蓋)に隠れているので、舌圧子で露出させないとみすごしやすことがあります。熱のパターンも二通りあり、37度台の微熱が続くパターンといきなり39度前後の熱が出るパターンです。この熱型と嚥下時痛と問診とで扁桃腺炎ではと問診の段階でほぼ診断がつきます。入浴や飲酒は炎症を悪化させます。熱いうどんも症状を悪化させます。共に患部を温めることになり炎症を悪化させるのです。この嚥下時痛ですが、時に急性喉頭蓋浮腫が在る事があります。内科の診察だけに頼らずに必ず耳鼻咽喉科で喉頭所見を見てもらわないと急に呼吸困難に至ることがあります。まれな病気ではありません。扁桃腺摘出後の患者さんでは嚥下時痛の原因が、残存して再生した扁桃の炎症があったり、舌根扁桃腺の炎症である事がよくあります。

◆声帯結節、声帯ボリープ、ポリープ様声帯、喉頭乳頭腫、喉頭白斑症、喉頭癌

共に声帯における病変ですからさ声(かすれた声)が生じます。声帯はアサリ貝の足のような薄い粘膜が、のれんの様に接して肺からの呼気によって互いに振動して声が出る構造です。人の音声は1000Hz周辺ですから一秒間に声帯は1000回振動しているのです。話を一時間すると6万回も声帯がこすれるのです。風邪などで声帯が炎症を起こしている時に声を出しすぎて声帯に無理な負担をかけ、病変のきっかけを作ることがあります。一度出っ張りが声帯に出来るとさらにその出っ張りがこすれます。声帯結節や声帯ポリ−プやポリープ様声帯は声の使い過ぎや、声帯に負担をかけるりきんだ発声法が原因で生じます。沈黙療法が患部の安静に必要です。

喉頭乳頭腫はイボの一種のパピローマウイルスによって生じます。小児の場合は産道感染、成人の場合は接触感染でイボが咽頭に生じ、喉頭へと移動して来る事が考えられます。再発を繰り返す例では時に喉頭に充満して窒息の原因となり治療に難渋することが有ります。喉頭白斑症は前癌病変で、喉頭癌は癌化した病変です。

喉頭癌は圧倒的に男性に多く、喫煙との関係が大きいのです。女性も喫煙者が増えれば将来男性並みに増加する事が予想されます。患者さんは、さ声や痰に血が混じるとの訴えで来院する事が多い様です。

◆舌癌、頬粘膜癌

熱いお茶や食べ物が好き、タバコはピース等と言う人が典型的な舌癌患者さんの嗜好です。入れ歯や歯性が悪くて同じ所を噛む場合も原因となります。

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